2008/11/21

「楓」の語源の俗説と本説




秋の山々は、10月始めの大陸の冷たい高気圧の南下とともに北の方から色づき始め、その紅葉前線はおよそ二ヶ月余りで本州南端まで駆け下ります。

紅葉する木々のなかでも楓(カエデ=Maple)は格別で、濃い緑から鮮やかな朱の色に変身する様は神々しささえ覚えます。
また、楓は落葉を始めても、散り紅葉、踏み紅葉と人々を長く楽しませてもくれるのです。

この楓(かえで)の語源は「かえ(語幹は「か=くぉあ」―て=kЭ(元の状態でなくなる=変身する)―te(とても良い)=すばらしい色に変身する木」でした。
楓の語源を、葉の形が似ているから蛙手(かえるて)とするのは俗説です。


ただ、蛙の古語は「かわず=交わす(語幹は「か=くぉあ」)ですから、楓と同じようにおたまじゃくしから手や足が語源となっています。



楓のもう一つの呼び名「紅葉(もみじ)」については、紅花から染料を「揉(も)み」出す様子(紅花を細かく優しく揉むと紅や黄色に変化する)から、「もみ」が「紅」をを指すようになり、楓の紅葉もこの紅花から染料を抽出するときの色の変化の様子と類似しているので、「もみずる」が「紅葉(もみ)ずる」さらに名詞化して「もみじ」になったとする説がありますが、楓の紅葉が先か、紅花から染料をとる技術のほうが先かは明白ですので、音が似ているからと紅葉(もみじ=古語は「もみち」)と「揉む」を結びつけるこの説には少々無理があって、言葉の音の意味を失った後代のこじ付けの感があるようです。

多くの言葉の語源を知れば知るほど、古代の人々の繊細な感性、鋭い観察力に驚かされます。

そして、現代人が忘れかけている自然との関わりの重要性を再認識させられるのでした。



Scott Joplin ― ”Maple leaf rag” 





「勿」の「論」ですが、ピアノにも「ツキ板」が使われています。



子供の頃、「ルルちゃん」というアメリカのアニメのオープニングで使われていた”Maple leaf rag”
ルルちゃんと一緒に棒付のキャンディーを舐めながら、チャールストンを踊ったものです。

お気に入りの曲でしたが、ピアノの先生に聞いても曲名がわからず、そんなことも忘れていたこの年になってようやく”Maple”というキーワードがこの曲のタイトルを引き合わせてくれました。

人生ひょんなところから、探し物が見つかるもんです♪


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