2009/02/15

いにしえのツキ板職人 「桧物師」ひものし「指物師」 






ツキ板を使った象嵌細工





指師の技

指物とは「茶道具」「京箪笥」「京机」などの総称。
木目が美しく、軽い桐材を用い、木地仕上げをしたものを中心とし、漆絵、時絵、象がん(ツキ板を使った工芸的な細工)等の加飾をしたもの。
当時の指物は、奈良正倉院展の宝物として細密彫刻を施した儀礼用の物差し、琵琶などとして残されています。

上写真は奈良正倉院の代表的な宝物、「木画紫檀基局」(L49×h127cm)
聖武天皇ゆかりの基盤、異国情緒豊かなラクダ、霊獣、鳥、草花などのモティーフをツキ板を使って象嵌細工で仕上げられています。

奈良国立博物館・奈良正倉院展のHPはこちら

室町時代以降、武家生活の中で、棚類、箪笥類、机類の調度品への人気の高まりと茶の湯の発達に伴い箱物類など指物が増えたことから専門の指物師が生まれました。

こうした指物師は、建具職、宮殿師(くうでんし)、宮大工、桧物師(ひものし)、曲物師などともに大工職から分化した職人でした。




桧物師


















桧物師(ひものし)とは
※曲げ物(まげもの)をつくる職人

右図は江戸時代の桧物師。

曲物とは「ヒノキ」や「スキ」の薄板を、特殊な技法で円形・だ円形などに曲げて底をつけた容器の総称です。
曲物には、良質のヒノキが最上とされ、そのほとんどが、御岳山麓で育った、樹齢三百年以上のヒノキが使用されていたので「桧」を「物」にする職業の人=桧物師となりました。


「曲物」の加工技法
丸太の木口面にナタで割り目を入れ、ひき割また水割して、薄板を作り、削仕上げした後に、円形または楕円形等に曲げて、両端(まち)を重ね合せて接合し、桜皮を用いてとじ合せます。
 平城宮跡の井戸の中から、曲物の水杓や水桶が出土していることからもすでに奈良時代、日常生活に用いられていたことが証明されています。

 

「からくり箪笥」指物の技


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