2009/01/30

ツキ板に刺繍





今や、新技術でもってツキ板に刺繍を施すことが可能です。


製材したての挽き材など含水率の高い材木には若干の「しなり」がありますが、含水率を下げると「割れ」の現象を引き起こします。

そこで、こちらの新素材を開発した大学の研究機関は、木材の※導管に特殊樹脂を染込ませることで、ツキ板に柔軟性と強度をもたせることに成功ました。

刺繍ができるということは、生地となる素材の柔軟性と耐久堅牢度が非常に高いことを表しています。
同じ針穴に4、5回或いはそれ以上、針と糸が通ります。
何本もの糸が張力をもちますから、非常に優れた新素材であるということの証明になります。

※「導管」とは植物が根から吸い取った水分や養分を上へ送るために備えている一本の長い管。(下図参照)



「木の断面・拡大図」




E:早材部仮導管
L:晩材部仮導管
R:放射組織


針葉樹材の断面(ヒノキ)
ほとんど均一な細胞から成り立っている。





F:木部繊維
P:柔組織
R:放射組織
V:導管


広葉樹材の断面(マカンバ)
大きさの違う細胞から成り立っていることがわかる



                        藤井智之氏原図より




0 件のコメント: