2009/01/05

日本を代表する常緑針葉樹  「 ヒノキ 」





Cypress




200年生の林 
木曾ヒノキ95% サワラ4% 
コウヤマキ1%
























ヒノキ、ひのき、檜(桧)、扁柏
Hinoki cypress

学名 Chmaecyparis obtusa
属性 ヒノキ科 ヒノキ属



由来 昔は木の板を錐でもんで発火させたが、このヒノキが発火しやすかったことから「火の木」、ヒノキと呼ばれたのが由来とされている。
この説は俗説だとの意見もあり、定かではない。



昔からヒノキの家は高価なものとされ、「総桧普請の家」は、豊かさや地位を表現するひとつともなっていた。
日本書紀に、スサノオミコトが、当時の宮人たちにであろうか、
「ヒノキを建築材に」と言ったことが記されているが、その当時から高級材だったことが窺える。
ヒノキの皮も桧皮(ひわだ)と言われ、濃赤褐色で飛鳥時代から神社の屋根葺きなどに使われてきた。
今でも神社仏閣や高級建築物にはヒノキ造りが多いが、
有名なのが伊勢神宮で、遷宮材は全てヒノキが使われている。




かつでは隣接する神宮林材が使われていたが、今は木曽桧が頼りで、そのために二百五十年生材が残されている。

ヒノキが神社仏閣や仏像の彫刻などに使われ、高級材として扱われてきたのは、直径三十cm以上になるのに、二百年は有に要する生育期間の長さからくる大量・短期育成材でないことがひとつの理由である。



もっとも大きな理由として、細かい年輪が美しく、特殊な香気を放つこと。

辺材は淡黄色で白く感じ、心材は黄褐色から淡桃色で高貴な色合いを持ち、木目も強くないこと。

耐朽性や保存性が千五百年以上と高く、強度も落ちない。

加工も容易で狂いも少なく、世界でも最もすぐれた針葉樹と言われることが高級材としての価値をつくっている。



”清水の舞台から飛び降りる”

で有名な清水寺をはじめ能楽や歌舞伎などでの格の正しい舞台はヒノキ板で作られており、ヒノキ舞台と言われている。
ヒノキの重くなく、色よく、強く、狂わない特性が生かされてのものだし、表面の乾きや適度な樹脂が足袋のすべりに適しているあらである。


海外のヒノキでは台桧(タイヒ)、米桧(ベイヒ)が良く知られている。

台桧は、台湾産のヒノキで、国産ヒノキに類似し、大径材が多かった。
国産ヒノキに比べると、①樹脂が多く、心材は淡黄褐色。②材質は国産ヒノキより重硬で保存性が高い。用途は主に器具、車両、船舶と高級建築用。

米桧は、太平洋側のオレゴン州、カリフォルニア州に産し、材は淡黄色でわずかに紅色を帯びて芳香性がある。
材質はかなり堅く、木目が通っていて耐久性が高い。
このため木曽桧の代用として使われることもあり、化粧材、建具、柱材、土台などに用いられる。

中国では扁柏と呼ばれるが、中国ヒノキは、同じヒノキ科でも針葉樹ビャクシンを指す。