2010/04/29

近畿経済局つれづれレポート



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     家 屋 と 産 業 
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昔日の日本の後を追うようにコピー大国となった中国。
5000年の遺産を背景に現在500もの大学を立ち上げ、
「世界のものづくり大国 ──── 中国」へと急速な変貌を遂げています。


我が国を振り返ると、戦後より輸出国として自動車、半導体、電子部品等の産業で日本の経済を支えてきましたが、技術先進国と言われながらも「豊かさ」は日常の暮らしにまでには至りませんでした。
高度経済成長とともに次々とモノが詰め込まれた都会の住居は閉塞感に包まれある種の貧困ささえ漂います。
       
急ピッチで建てられた狭い集合住宅に都市化のグランドデザインは見当たらず、住環境や街並みにおいて劣悪な状況が大都市をを覆い尽くし、狭小住宅の多くはモノで溢れかえって片付かない 「納戸」 へと変化、そして鎖国時代より日本が独自に極め熟成させてきた手仕事や地場産業は衰退していきました。



同じく戦後のイタリアを見てみると、国策として国民が平均120~140平米の持ち家に住み替え、我が家をサロンのように仕立てていくことで

◆ 内需の拡大

◆ アイデンティティの復興を果たします。

またシンガポールでも国が一般的な住宅の広さを120平米に取り決め、台湾のマンションの占有面積も100~180平米が主流に、そして1985年頃よりインテリア&プロダクトデザインのイタリアのショールームや支店が韓国に上陸し、今でも業績を伸ばしているとのことです。



大不況といわれながらも、この数年のうちに日本の80都市で一世帯当たりの持ち家の広さが90~100平米に近づいてきました。


ようやく次の方向性を探る時機にきている日本....



かねてより「うさぎ小屋」と形容され、住環境において大きく諸外国から遅れをとった日本の次なる産業経済の中核を担うインテリア産業の実現が今、変容を遂げ世界に向けて静かに成長しつつあります。
畳、手漉き和紙や和傘、漆、などなど....




















グローバル競争、流通体系や消費者の暮らしの変容など...多角的に掘り下げ、衣食住、伝統、世情、経済に切り込み、売り込みに至るまで敷延するところが世界のトップデザイナーの面目躍如たるところ。


終盤では成功事例として、中小零細企業のプレゼンに会場が沸き立ち、その一意専心なエネルギーが大きなうねりとなって、そこにいる300人以上の人々を次々と吸い込んでいました。

生活者の気持ちが内向きになっている大不況の今こそ、住まいの再生の時機、四代目、五代目若社長の魂を込めたモノづくりと自己変容の勇気に幾許かでも胸を打たれない者はいなかったのではなかろうか。