2008/11/11

ツキ板の種類
針葉樹と広葉樹

ツキ板の種類の大分類としては、
以下の三つの主軸をもとに大別される

①「樹種別」で針葉樹、広葉樹に大別される。
②「切削方法」ではスライスド単板、ロータリー単板、ハーフロータリー単板に分けられる。
③さらには「木取り(製材)」や「切削方法」により、製品が板目、柾目、追柾、杢(ロータリー)に分けられる

それぞれによって異なる用途と適性、求められる厚みの違いがある。
今日は①の樹種別によりツキ板の種類をカテゴライズしてみることとする。

針葉樹と広葉樹


ツキ板業者は総じて、針葉樹か広葉樹かいずれかの専門分野をもっている。

一口に針葉樹、広葉樹と言ってもそこにはさらにいくつかの分類があるが、ここでは構造的な点に着眼して話をすすめることとする。


両者の違いを構造的に見ると、針葉樹は木部の構造が極めて単純で細かく、切削した場合の表面は仮導管が九〇%を占めているため、キメ細かく絹糸のような光沢を持っており、住宅の柱などに見られるように無塗装で使用する場合が多い。
(左図:スギの組織構造)

また、畳、和紙などとの調和が非常に良いため、和室用に使用され、ツキ板としても張天井板、集製材の化粧用など和風向けの建築材用にも使われるようになってきている。
樹種は多くないとはいえ、一口に国産材のスギといっても、屋久杉をはじめ、霧島杉、春日杉、秋田スギなど種類は多く、これに寺社木が加わり、人工造林杉でも三百年以上の歴史を持つ吉野杉を初め、杉の世界も奥が深い。



一方、広葉樹は木部組織が複雑で導管孔も大きく粗いが塗装することにより変化に富んだ木目が浮き上がり一段と美しさが発揮される。
木柄は樹種別にもそれぞれの木によっても芸術品を思わせるような変化に富んでいる。
このため、ツキ板としては家具、建築資材をはじめ幅広い用途を持っている。
(右図:ケヤキ組織構造図)

こちらにも導管掲載中






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