2008/12/26

スプルース、アカエゾマツ








Supuruce
エゾマツ、蝦夷松、クロエゾマツ、クロマツ、ロシアエゾマツ、スプルース、Yezo spruce
学名 Picea jezoensis マツ科(Pinaseae)



楽器の必須樹種「スプルース」
「エゾマツ」と「アカエゾマツ」に大別される

北海道では、トドマツとともにエゾ・トドと呼ばれ、本州などでのスギ・ヒノキに対比される代表的な樹種である。
しかし、本州中部以西では知名度はあまり高くない。
北海道では、赤えぞまつのアカマツに対比してクロマツと呼ぶこともある。


本州に分布するトウヒは変種(var.hondoensis)である。ロシアにも産するので、ロシアからの輸入材のうちにも含まれている。
北海道には、よく似た樹種で樹皮の赤いアカエゾマツがある。

☆木材:心材と辺材はやや褐色を帯びた淡黄色で、それらの色の差のないこともあるが、心材がやや桃色を帯び、長期間大気にさらされると
かなり色が濃くなることもある。
ほとんど匂いがないのも特徴といえる。
カンナをかけた面には光沢がある。
年輪はやや明らかで、肌目は精。縦方向細胞間道(樹脂道)がある。
音響的な性質が、楽器用材によく合うので、バイオリン、ピアノ、ギターなどの楽器に使われる。
また、スピーカーのコーンに使うパルプも作られる。
気乾比重は0.35~0.52で、軽く、軟らかい。加工はしやすい。耐久性は低い。




アカエゾマツ

アカエゾマツ、テシオマツ、Saghalin spruce
学名 Picea glehnii マツ科(Pinaceae)

北海道では、アカエゾマツのことをアカマツと呼ぶことがある。
樹皮がクロエゾマツとも呼ばれているエゾマツに比較するとずっと赤く、
林のなかでおすぐそれとわかる。
アカエゾマツという名前は、樹皮が赤いということで、木材が赤いということではない。
エゾマツの名前を聞くことはあっても、アカエゾマツの名前を聞くことは楽器用材に使うような機会以外には少なくなっている。
☆木材:心材と辺材の色の違いはほとんどない。やや褐色を帯びた白色、あるいは淡い黄白色である。
木材の性質はエゾマツに良く似ている。
成長が遅く、従って年輪幅は一般的に狭く、しかも均一である。
縦方向細胞間道(樹脂道)があるが、余り目立たない。
気乾比重は0.47~0.53。肌目は精で、木理は通直である。

☆用途:エゾマツとほとんど同じような用途に使われる。蓄積が少なくなってきたため、

良質のものは入手しにくくなっており、利用は主として楽器用材のような高価でも使えるような用途に限られるようになっている。
楽器用材としてはバイオリンやピアノなどの材料としては、エゾマツよりも高く評価されることが多い。





スプルス柾



世界の木材200種 須藤彰司より

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